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数学の美しさ
 予備知識なく、適当に目に付いた本を借りて読んでみよう企画、
( で当たりだった ) 第2段。

 こちらです。

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『 ぼくらの大脱走 』 ( 鳥井良二さん / あさ出版 )

 表紙の折り返しに、
 大きな文字で 『
ベルモント学園高等部一年の全生徒が消える
 なんて書いてあってですね、
 軽ーい感じのミステリー的な小説を期待して、借りてみました。

 ところが、ちょっと違いまして。


 舞台は、中高一貫全寮制のカトリック系男子校。
 生徒のイタズラと、取り締まろうとする学園側のドタバタ喜劇、の、
 短編オムニバスの連続、てな雰囲気です。

 ただ、カトリック系学園、ということで、聖書の言葉なんかが引用されていて、
 序盤、そっち系の本かな、と思ったりもしてしまいましたが、

 別にクリスチャンじゃないけど全寮制ってだけで入学させられた生徒が主人公で、
 宣教色は感じませんでした。

 で、まぁ、色々なイタズラと先生との戦いみたいなのが続いていきます。
 イタズラも大がかりですが、学園の取り締まりヒドイなぁ、と思ったり。
 なかなか面白いです。

 主人公は、あるきっかけから、突如数学の魅力に取り憑かれます。
 素数の不思議、とか、πの美しさ、なんてのが、結構細かく語られていて、
 数学って面白いかも、と一瞬思わされる物語かも、です。

 そしてふと気付く。あれ?ちっとも脱走劇が始まらない(笑)
 終盤でやっと脱走にチャレンジします。
 そして、最後は本当に、感動しちゃいました。良い本でしたよ~。

『 人生にはいろいろな時があります。楽しい時もあれば苦しい時もあります。人生には昼もあれば、夜もあるのです。夜を治めているのは闇ではなく、光です。天地創造で、神は昼と夜を分けられました。昼を治めているのは大きな光ですが、夜を治めているのは小さな光です。たとえどんなに闇が深くても小さな光があるはずです。あなたたちの夜にも先立って進む小さな光があるはずです。 』
 聖書の言葉らしいです。

 聖書の言葉を引用してみたり、素数が暗号に利用されていることを書いてみたり、一体作者の鳥井さんというかたはどんな人かなと思ってを奥付を見てみますと、
「 少年時代をカトリック学校で過ごし、…情報セキュリティ分野で暗号研究のため、MITへ留学… 」
 というかたのようです。自分の経験が背景にあるんですね~。面白い。

 ところで、
 数学の魅力を題材にした本と言えば、『 博士の愛した数式 』 とかありましたけどね、
 僕が思い出したのは、
 こちら。

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『 史上最強 科学のムダ知識 』 ( 平林純さん / 技術評論社 )

 この本は面白いですよ~。
 僕の頭の中が妄想でいっぱいだった学生時代、かなり笑わせてもらったサイト(hirax.net)の平林さんの著書です。

 ほんのちょっと古いですが、今読んでも面白いです。
 数学なんて勉強して何になるのかな、って質問に答えられる、
 こんなことが計算で分かるんだよ、っていう、数学の悪ふざけ(なんて言ったら申し訳ないけど)がたくさん。

 世の中にあふれている電化製品の中身や、色々な工場、機械の仕組み、情報処理の分野など、数学は色々なものの基礎になっています。
 難しいこともたくさんありますけどね、こんな風に使ったら面白いね、という話題がいっぱいです。

 ぜひ、古書店で見掛けたら手にとってみてください。男子高校生におすすめです(笑)


おきてがみ
by new-ikumen | 2013-10-11 23:59 | 人生を豊かにする読書


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