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一歩踏み出す勇気
 人類の進化は、好奇心と冒険によって成し遂げられてきた、と思います。

 いつの時代も、不可能と言われることに挑戦する人がいるから、
 夢のような機械が生まれてきたりしています。

 海でも山でも、何かしら挑戦することがあるから、冒険と呼ばれる訳で、

 冒険家はみんな、体も運動能力もズバ抜けて良くて、飛びぬけた才能があるんだろうな、と

 思ってしまいがちです。

「 8000メートルに登るニート登山家 」 として知られている? 栗城史多(くりきのぶかず)さんというかたがいます。

 先日栗城さんの講演を聞く機会がありまして、とっても勇気をもらいましたので、本も読んでみました。

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『 一歩を超える勇気 』 ( 栗城史多さん / サンマーク出版 )

 栗城さんは、世界の名だたる山、6大陸の最高峰に挑戦し続けています。

 冬山の登山、というだけでも結構冒険ですよね。
 常に危険と隣り合わせなので、普通、登山隊を組んで複数で協力して頂上を目指します。
 高所に体を馴らすため、少しずつ荷物を運んでは埋めて、高度を下げ、また荷物を持って登り…
 と、登ったり下りたりを繰り返しながら、登るんだそうです(知らなかった…)

 で、6000メートル級とか、そういう山は、酸素が薄いので、酸素ボンベを付けて、登るものなのだそうです。
 ボンベなしでは、酸欠状態になって、意識が朦朧として気を失ってしまったり、視界が狭くなったりするそうです。

 それなのに
 栗城さんは、単独(独りで!)、無酸素(無謀!?)の登山にこだわって、世界最高峰に挑み続けているんです。

 なんでそんなことをするのか。


『 無理、と言われることに、僕のような人間でも挑戦し、
 成し遂げることができる、ということを、みんなに伝えたいから。 』

 だそうです。

 熱いでしょ?
 栗城さん、スゴイ体格の持ち主、ではないんです。身長162センチ、筋力もスタミナも、同年代の平均以下、らしいです。

 そして、学生時代、引きこもりになっていたという経験の持ち主。
 就職することもなく、山に登ることにしてみた、という、かなり無謀な感じの匂いプンプン。


 ただね、栗城さんのすごいところは、
 自分が山に登りたいから、登っている、という訳ではないんです。

 自分でもできる、ということを、世界に発信して感動を共有したい、ということで、
 登山中に画像を配信したり、ブログを書いてみたり、動画配信をしようと、挑戦しているんです。

 例えばエベレストの入山料は一人数百万円もするんですが、
 栗城さんは、これに加えて、衛星アンテナを利用しての通信機器、中継基地の設備を山に運ぶ、ということからやらなければならず、入山料の何倍もの高額の経費が必要になるそうです。

 自分が登るための費用の何十倍もの費用を、感動を世界にリアルタイムで発信したい、という志のために、集めています。

 ただ登るだけでもしんどいのに、クレバスを飛び越える動画を撮影するために、
 カメラを三脚にセットして、カメラの前で飛び越え、

 カメラを回収するために、また飛び越えて戻って、
 カメラを抱えて飛び越える。

 と、同じクレバスを3回も飛び越えるという手間をかけていたりするんです。
( 褒め言葉としての ) アホですよねー。面白すぎます。

 ただの無謀な冒険野郎じゃなかったんだ、と、感動すら覚えました。


 何か特別なコネクションを持っていた訳でもなく、
 飛びぬけた才能に恵まれていた訳ではないのに、
 冒険してその様子を発信して共有したい、という夢を抱き、そして実現しているのは、

 海の冒険家、白石康次郎さんと同じです。

 そして、二人に共通しているな、と思ったのは、
「 夢を、声に出して、語る 」、ということ。

 自分で無理だと決めてしまわないで、どんどん人に夢を語る。
 自分のためだけの夢ではないから、応援してくれる人が現れる。


 はじめの一歩は、誰にだってできることですよね。

 さぁ、自分は子供の前で、夢を語れるか。志を持って生きる姿を見せているか。

 自分で書いておいて、耳が痛い。
 全然だなぁ、と思ってしまいますが、落ち込んだりしない。

 恥ずかしくない生き方だけよりも格好良くなれる方法に気付けた、ってことで。


 背中を押してあげたい人に、白石康次郎さんの本とセットで贈ってあげたい本です。


おきてがみ
by new-ikumen | 2013-10-05 00:33 | 人生を豊かにする読書


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