ごめんなさいがやってきた
 小学校1年生になった娘は、読んでほしがるのはまだ絵本、ということが多いですが、
 自分で読むためには、絵本ではなくて児童文学を選んでくるようになりました。

 で、図書館に行ったら、児童書コーナーでピックアップして借りて来ます。
 たまには短編集みたいなのも良いかなと思って借りてみた一冊。

 娘も息子も、なんか、上手に 「 ゴメン 」 って言えないんですよね~。

c0259834_22273553.jpg

『 ごめんねがいっぱい 』 ( やなせたかしさん、斉藤洋さん ほか / 金の星社 )

 斉藤洋さん、竹下文子さん、戸田和代さん、茂市久美子さんが物語を、
 やなせたかしさんが詩を、鈴木まもるさんが、文字のないイラストによる物語を、寄せています。


 低学年でも読める分量ながら、内容が少し高学年向き、という印象を受けましたが、
 ひとつ、大人にも すごく良いなと思った物語がありました。

 それは、
ごめんなさいがやってきた 』 ( 斉藤洋さん )



 とんでもない怪物が、隣の国を荒らして、自国に向かってきているという。
 その怪物は、家などドンと踏みつぶしてしまうほどの大きさで、
 大砲をぶっ放しても平気な顔をしているという。

 ところが不思議な怪物で、「 ごめんなさい。ごめんなさい 」 と言いながら、作物を荒らしたり 家を踏みつぶして暴れるのだという。

 そんな訳のわからない怪物が襲ってくるというので、王様と将軍が対応を相談していたところへ、

 ずっと旅に出ていた王子が帰ってきます。

「 怪物は大砲くらい、へっちゃらだそうです 」 と将軍が進言すると、王子は

「 そうかもしれないけど、まずは大砲をためしてみよう。聞いただけで、ためしもしないのはいけないよ 」 と言って、
 将軍を感心させます。


 なるほどなるほど、小学生向けに、良い話じゃん、なんて、読み進めますと、

 その後も、怪物が近付いてくる度に、色々な対応で、機転の利く発言と行動で将軍と読み手も感心させられます。

 ところが、やはり、怪物は何をやってもびくともしません。
 このままでは、村が潰されてしまいます。

 相変わらず 「 ごめんなさい 」 と言いながら、村につながる橋を踏みつぶしたとき、
 王子は叫びます

『 どういたしましてーっ!

 するとどうでしょう。怪物は、やってきたほうにいきなりふりむき、そのまま、ゆっくりと、おとなしく、ひきあげていくではありませんか。

『 やっぱりな・・・・・・。』 王子はいいました。
『 「 ごめんなさい 」 といって、「 どういたしまして 」 と答えられたら、だれだってひきさがるしかないもんなあ・・・・・・。 』

 またまた、またもや、将軍は王子に感心しないではいられませんでした。でも、ちょっと気になるので、将軍は王子に、

『 しかし、あの怪物、ほんとうにごめんなさいなんて思っていませんよ。
 思っていたら、つぎつぎに、あちこちあらしまわったりしませんからね。 』

 といってみました。すると、王子は笑ってこう答えたのです。

『 いいんだよ。こっちだって、畑をふみあらされて、ほんとうは、どういたしましてなんて、思っちゃいないんだから。 』

 なるほど、世の中、心で思っていなくても、ことばだけでうまくいくこともある。

 ・・・


「 思っていなくても、言葉だけでうまくいくこともある 」

 確かに、丸く収めるために気持ちをこらえて、思ってもいない言葉を吐くべきこ時もありますよね。



 でも、それ、子供にはちょっと難しくないかな。間違った意味に捉えられたりしないだろうか。ウソも方便、というか、反省してなくてもごめんって言っとけ。みたいな。・・・それは困る。
 ということで、微妙なニュアンスも理解できる年齢以上におススメの物語です。
 大人なら、3分くらいで読めると思います。


[PR]
おきてがみ
by new-ikumen | 2013-10-30 22:37 | 人生を豊かにする読書 | Comments(0)


<< 平成の田中正造 戦極ドライバー、作るか… >>