怖い話。「原発ホワイトアウト」
 現役官僚による告発本ということで話題の本、読みました。

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『 原発ホワイトアウト 』 ( 若杉冽さん / 講談社 )

 小説でした。
 あくまで、フィクションなんでしょうけど、全て現実に起こっている事態を説明してくれているとしか思えない物語です。

 原発再稼働を進めたい政治家と官僚 vs 脱原発を願うジャーナリストと良識ある官僚 の物語。

 どちらを主体とした展開の場面も、それぞれの視点で記述されているので、一体どうなるのか、果たして原発は再稼働されてしまうのか、現実世界のこの先を案じる気持ちで、ハラハラ読みました。


 フクシマの原発事故の検証も後始末も全く進まないまま、各地の原発再稼働を急ごうとする政治家、経済産業省。
 なぜ、そんなことになってしまうのか、政治家と経産省がどんな風に原発と結びついていたのかということが、とても良く分かる本でした。

 腹立たしいですが、イライラしちゃわないように、注意して読んでください。
 冷静に腹を立てましょう。


 政治家と官僚とマスコミという原子力ムラの仕組み、許せません。

 目に見えない放射能だから、正しい知識で正しく恐れなければいけないのに、マスコミが報道をやめてしまうと、すぐに忘れたようになってしまう。これでは、ただ自分の懐に入るお金のためだけに再稼働させたい原子力ムラの人々の、思うツボです。

 もちろん、火力発電だって、良くない面もあるかもしれません。
 温室効果ガス(二酸化炭素)をたくさん排出するから、世界的に削減すべきだ、なんて主張もあるのかなと思います。
 ただ、僕は、「二酸化炭素が増えたから温暖化が進んだ」という論理は信じていなくて、「地表温度(海水温)が上がると二酸化炭素濃度も上昇する」という現象論のほうが、信憑性が高いと思っています。(出典が思い出せないのですが、海洋研究機構のデータではなかったかと・・・)
 そういう理屈で、海水温を発電量の割に上昇させている原発こそ、二酸化炭素濃度上昇の元凶だと言えると思っています。

 処理できない危険な放射性廃棄物をこれ以上溜めていくのは、絶対に良くないです。
 この先、安全に処理できる技術が開発されるかもしれない?そういう研究をこれまで何年もやってきて、できないから、世界の先進国は諦めて撤退しているのです。

 どっちかといえば、
 放射性廃棄物を無毒化する技術 ( ←実現可能性があると思えない ) より、
 二酸化炭素を還元してカーボンや有機物を再生する奇跡の還元剤、還元触媒、のほうが、
( 奇跡の、とか付けてみたけど )夢のある技術で、なんとかなりそうな気がしてきます。
 やってみようかなって思う理系技術者の人は何人も出てくると思います。

 なんて考えてたらさ、やっぱり、二酸化炭素を消費して酸素を出す植物って、貴重ですよね。
 ほんとは、貴重でもなんでもないんだけれど、人口の割に植物が減っちゃったんですよね。

 とにかく、
 僕らは、原発が安全なんて、思わされちゃいけない。
 もう騙されちゃいけない。

 と、皆が気付いてほしい。思い出してほしい。

原発ホワイトアウト

若杉 冽 / 講談社


 ネタばれになりそうな内容は、「 続き 」 から。



 国際問題というのは非常に難しいものだと思います。
 でも、戦争したそうな与党、というのは、国民には不安です。

 諸外国が、日本列島周りの諸島に魅力を感じ、力で奪ってやろうという姿勢であるようにも感じます。かといって、武力を高めていつでも戦争する用意があるんだぞ、という姿勢を見せるのが良いのかどうなのか、と思うのです。

 先進国同士の戦争は、おそらく、情報網の破壊とか、首都の破壊とか、誰が手を下したか分からない巧妙なテロのように、仕掛けられたらあっという間に終わってしまう、というものになるんじゃないかと思ったりします。

 だから、軍事力高めても仕方がないような、気がする、と思ったりもするんですけど。

 で、そんなことより、僕が思うのは、
 他国に脅威があるのなら、軍事力 (や、それを取り巻く法整備) なんかを問題にしている場合ではなくて、
 他国の脅威が核兵器を持っていなくても、日本に核攻撃ができてしまうという、
 放射性物質がわんさか日本中(の原発周辺)に無防備に散らばっている、というのが大きな問題だろう、と思うのです。

 結局、日本の原発は、福島の事故後も、テロや攻撃に対しては無防備なままで、自然災害しか想定していないで安全評価を進めようとしています。

『 原発ホワイトアウト 』 では、尖閣諸島を手に入れようとする?他国のテロリストが、日本の送電用鉄塔を破壊して、大規模停電を起こしてしまいます。

 時は、大みそか、猛烈な雪が日本海側を襲っていた。

 そりゃ、テロリストだもん、そういう日を狙うよね。

 原発では停電により、冷却系統が停止。
 非常用電源のエンジンは寒くて始動しない。
 原発の知識があってもエンジンの知識がないから、始動しない理由が分からない。

 道路は一面雪や凍結。除雪車は初もうで客のために、出払っていて、
 原発から離れた非常用電源車も近付けない。

 メンテナンスは二次受け三次受け業者に委託しているから、大みそかに連絡が取れない。
 緊急事態になってしまったら、危険を冒してまで近付きたがらない。

 結局、電源喪失により冷却できず、次々とメルトダウンしてしまう、という事態が、
 フクシマに続いて、起きてしまうのです。



 テロに狙われないとか、攻撃されない、とか、性善説に基づいた安全管理では、いけないものだという警告を含む、小説でした。

 現実に、日本で鉄塔が倒されるという事件は、この15年位の間に二度も起きているんですね。
 あれだけの地震が仮に1000年に1度にしか来なかったとしても、鉄塔が倒される事件は、10年に1度位ずつ起こされる可能性があるわけです。なぜ今般的な対策をしていなくて安全だと言えるのか。

 マスコミが騒ぐのをやめたからといって、福島からの放射線汚染は広がり続けています。
 自宅に帰ることもできず、避難所生活を余儀なくされている人たちが、たくさんいます。
 忘れちゃいけません。


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おきてがみ
by new-ikumen | 2014-01-22 23:25 | 人生を豊かにする読書 | Comments(2)
Commented by kinnnikumans at 2014-01-24 22:20
やすおさんこんばんは!
私もこの本気になっていました。
やすおさんさすがですね。読まれたのですね。
そうですね。冷静に腹を立てないといかん・・・
本当に思うツボですね。
全て廃炉にして核のゴミをなんとかしようとしても
それにはとんでもないお金がかかるから、
そこにかけたくないのでしょうね。
そこにかけて、さらに新しいエネルギーのためになんて・・・
もう無理だみたいに思っているんだろうなって。
だけど、どっかでやめないと、
いずれ日本は住めなくなってしまいますよね。現実的に。
今でも廃棄物の受け入れ先をどうするかで
住民ともめている状況なのに・・・
動かすだけでもゴミが出るとわかっている原発を
再稼働なんて、私には理解できません(++)
どこまでためるつもりなんでしょう。放射性廃棄物を。
これだけ海に囲まれているから海洋エネルギーとか
色んなエネルギーに着目して、
原発に頼らなくても生活していけるようになったらいいなって
本当に、、、そんな暮らしに憧れます。
ほんとに植物って貴重ですね。大事にしないとな。
やすおさんのおっしゃるようにそれぞれ短所はあるかもしれませんが、
放射能と二酸化炭素じゃ比にならないですね。
Commented by new-ikumen at 2014-01-25 00:28
ジャックさん、コメントありがとうございます。

脱原発派は原発をやめる道筋をきちんと示すべきだ、とか言ってる推進派の人がいますがね、現実、東電は今、原発を動かしてない訳ですよ。道筋も何もないですわ。そのままで良いです、って。ね。

値上げが必要?本当?でも、放射能の危険におびえるより、みんなできちんと片付けていく道筋なら、考えればアイデアは出てくると思いますよね。

お金をめぐる汚い関係も腹立たしいですがね、そんなにそういう仕組みをなくしたいなら、高額な資産価値になる超大規模風力発電施設を現原発立地地域に誘致してですね、風力ムラを作ったらどうですかね。汚いことをなくせと言っているんじゃなくて、核反応発電を止めてと言ってるんですけどね~。世論は。多分。


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